「新鮮」に落とし穴…旬の魚に潜む寄生虫と食中毒への対処
日本人には寿司や刺し身など、生魚を好んで食べる習慣がある。しかし近年、生魚に生息する寄生虫による食中毒が増えている。秋から冬にかけては、サンマ、カツオ、サバ、サケ、ヒラメなどたくさんの魚が旬を迎える。食中毒を避けて魚を味わうにはどうしたらいいのか。食品安全委員会事務局評価第2課の今西保課長補佐に話を聞いた。
鮮魚に潜む寄生虫の被害で最も多いのが「アニサキス」だ。サバ、サンマ、アジ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの胃に幼虫の状態で生息し、体長2~3センチの白い糸状をしている寄生虫だ。
アニサキスの被害は年間を通じて発生している。
被害件数は年々増えていて、厚生労働省の食中毒統計資料によると2017年の発生件数は230件。カンピロバクターの320件に次ぐ2位で、3位はノロウイルスの214件だった。
ただし、この数字は氷山の一角にすぎないとの指摘もある。国立感染症研究所は、病院の患者33万人規模の診療報酬明細書データを基に試算し、年間に7000件と推計している。