著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

大腸はベーコン3枚で2割増 がんリスクは生活習慣で上がる

公開日: 更新日:

 英オックスフォード大などのグループが英国人50万人を6年ほど追跡。毎日ベーコンを3切れ食べる人は、1切れの人より大腸がんリスクが20%増加すると報告。国際的に加工肉が大腸がんリスクになることは注目されていますが、日本はそれほどでもないでしょう。

 英国の保健制度によると、ベーコン1枚は加工肉23グラム相当。76グラムの加工肉は赤身のステーキ230グラムに相当するといいます。果たして、日本にステーキを上回るほどの量のベーコンを毎日食べる人がいるでしょうか。

 それより注目は、肥満運動不足。これが大腸がんのリスクを上げることが分かっています。大腸がんはメタボの延長線上にあり、減量と運動がリスクを下げます。

 その点でいうと、糖質や甘いものを好んで糖尿病になると、膵臓がんと肝臓がんのリスクが、糖尿病でない人に比べて2倍に。糖尿病の人は、全体のがんを2割増やします。ですから、糖質制限は、がん予防にも重要です。

 先ほど熱いものがよくないといいましたが、コーヒーはほぼ確実に肝臓がんを防ぎ、緑茶は胃がん予防になる可能性があります。イランの研究では、6分待ってから飲むと、リスク低下になりますから、冷まして飲むといいでしょう。

 最後はセックスです。セックスでHPVというウイルスが女性の膣に感染すると子宮頚がんに、咽頭に感染すると咽頭がんになります。特に、咽頭の中央部の中咽頭がんは、半分がHPVが原因とされますから、男性も要注意です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動