見えてきた認知症のメカニズム 自然な睡眠が予防に重要な理由

公開日: 更新日:

 人の睡眠は、急速眼球運動を伴うレム睡眠と伴わないノンレム睡眠の2つで構成されている。ノンレム睡眠時に出る4ヘルツ以下の徐波と呼ばれるゆっくりした脳波が、学習や記憶の定着に関わっているということがわかっている。ならばノンレム睡眠中の徐波を強化した方がよさそうだが、レム睡眠時の脳波も重要だという。それはなぜか?

「レム睡眠は良質なノンレム睡眠を促す作用があるからです。レム睡眠が少ないことが認知症のリスク因子だとの報告もあります。ところが、レム睡眠のことはほとんどわかっていません。実験用マウスのレム睡眠は30秒から1分程度しかなく、その間に脳でどのような変化が起きているかは観察しづらいことが大きな理由のひとつです」

 また、寝付けない人が睡眠薬の力を借りて寝ても認知症予防にならない可能性があるという。

「睡眠薬の多くはノンレム睡眠を増やすもののその質は自然な眠りとは異なり、さらにレム睡眠の量をかえって減らす作用があります。麻酔薬で意識がなくなった状態も自然睡眠の時とは脳の活動が大きく異なるので、自然睡眠とは作用が異なる可能性があります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動