見えてきた認知症のメカニズム 自然な睡眠が予防に重要な理由

公開日: 更新日:

 そこでMITチームは外部からγ波を人為的に強めたらどうなるかを調べた。

「Aβがたまりやすい体質の実験用マウスを用意し、記憶をつかさどる脳部位の海馬にAβが蓄積していることを確認。その上で、40ヘルツのγ波を特殊な方法で数時間にわたって強めました。結果、Aβが減少。40ヘルツのγ波刺激によりミクログリアが活性化したことから、ミクログリアの貪食機能が関係している可能性があります」

 ならば、人間でも40ヘルツのγ波を強化すればADは防げるのか?

「可能性はありますが、現段階では危険かもしれません。ミクログリアはさまざまな作用があり、どんな副作用が出るかもわかりません」

 Aβを減らしてもAD症状が改善しないことも多いことから、タウタンパク質が新たな治療標的として大きく注目されている。その一部が神経細胞外に出て隣接する神経細胞に伝播することでAD症状が進行するという報告もある。

 さらに近年、この細胞外のタウに関しても、睡眠中に減少するという報告がある。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…