運動は認知症の予防や改善に役立つか? 専門家に聞いた

公開日: 更新日:

運動すれば特定のニューロンが発芽(軸索が伸びてネットワークを補強したり新しく作ったりすること)します。ニューロンが死んでも別のニューロンの発芽によりネットワークを作り直すことができます。このとき周りのグリア細胞も活動して必要な代謝物や栄養が脳内に運ばれる。結果、脳の恒常的な作用は保たれやすくなると思います。ただ、それでアルツハイマー病認知症の病態抑制効果があるとはハッキリ言えないと思います」

 たとえば、「手続き記憶」と呼ばれる記憶がある。文字を書いたり、自転車に乗れたり、楽器の演奏ができたりする、いわば段取りの記憶だ。同じような経験の繰り返しにより獲得でき、いったん記憶されると無意識に機能して長期間保存される。

「手続き記憶は手足を動かすことで記憶の回路が強化されるため、運動で記憶は強化されるでしょう。しかし、運動で人の顔を覚えるなど他のパターンの記憶も保持されるのか、という点については分かりません」

 複雑な道を走るロンドンのタクシー運転手の海馬の灰白質(記憶にかかわる脳の領域)は年をとっても衰えず、成長しているという。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人がソフトB自由契約・有原航平に「3年20億円規模」の破格条件を準備 満を持しての交渉乗り出しへ

  2. 2

    【時の過ぎゆくままに】がレコ大歌唱賞に選ばれなかった沢田研二の心境

  3. 3

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  4. 4

    国分太一との協議内容を“週刊誌にリーク”と言及…日本テレビ社長会見の波紋と、噴出した疑問の声

  5. 5

    衆院定数削減「1割」で自維合意のデタラメ…支持率“独り負け”で焦る維新は政局ごっこに躍起

  1. 6

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  2. 7

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    立花孝志容疑者を追送検した兵庫県警の本気度 被害者ドンマッツ氏が振り返る「私人逮捕」の一部始終

  5. 10

    京浜急行電鉄×京成電鉄 空港と都心を結ぶ鉄道会社を比較