著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

胃がん<4>なぜ放射線治療の記述が見当たらないのか?

公開日: 更新日:

 がん手術が終わると、抗がん剤や放射線が待っています。手術では肉眼や術中の病理診断で確認できる限りの腫瘍を切り取りますが、それでも再発や転移が起こることがよくあります。そこで予防的に術後の抗がん剤や放射線を行うのです。肺がん乳がんなど多くのがんで、2つを組み合わせた「化学放射線療法」が標準治療のひとつとして組み込まれています。

 胃がんでも同様でしょうか。

 ところが過去から現在の治療ガイドラインをつぶさに眺めてみても、放射線は出てきません。術後の抗がん剤は標準治療に入っているのに、放射線は一切入っていないのです。

 それは、放射線が胃がんにほとんど効かないからです。胃だけでなく十二指腸や大腸でも、放射線が使われることはありません。

 しかし、胃の真上の食道がんには使われます。食道がんのガイドラインによれば、ごく早期で、かつ内視鏡で切除するには大きすぎる場合、選択肢のひとつとして放射線が挙がっています。ステージⅠ以上では手術が第一選択ですが、追加で化学放射線療法が選択肢に入っています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  2. 2

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  3. 3

    「かなり時代錯誤な」と発言したフジ渡辺和洋アナに「どの口が!」の声 コンパニオンと職場で“ゲス不倫”の過去

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    「よしもと中堅芸人」がオンカジ書類送検で大量離脱…“一番もったいない”と関係者が嘆く芸人は?

  1. 6

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  2. 7

    入場まで2時間待ち!大阪万博テストランを視察した地元市議が惨状訴える…協会はメディア取材認めず

  3. 8

    米国で国産米が5キロ3000円で売られているナゾ…備蓄米放出後も店頭在庫は枯渇状態なのに

  4. 9

    うつ病で参議員を3カ月で辞職…水道橋博士さんが語るノンビリ銭湯生活と政治への関心

  5. 10

    巨人本拠地3連敗の裏に「頭脳流出」…投手陣が不安視していた開幕前からの懸念が現実に