著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

胃がん<1>手術は大きな違いはないが薬物治療は進歩している

公開日: 更新日:

 近頃よく、がんの「標準治療」とか「診療ガイドライン」といった言葉を耳にするようになりました。

 標準治療とは「ランダム化比較試験」などの臨床試験を通して、現時点で「最良」と判断された治療のことです。判断の基準は、延命効果(平均生存期間)や5年生存率など。つまり統計的に見て「最も死から遠ざかる可能性が高い」治療。その意味で最良ということです。

 治療の中身はがんの種類やステージ、患者の年齢・体力などによって細分化されています。今回のテーマである胃がんでは、ステージや腫瘍の位置などに応じて手術の方法が数段階に分かれています。また使える薬は10種類以上ありますが、どんな患者に、どの順序で使えばいいかがわかってきていますし、最近では遺伝子のタイプに応じて薬を替えることも可能になってきました。がん遺伝子パネル検査が普及すれば、もっと細かく分かれていくことになるでしょう。

 診療ガイドラインはそれら標準治療の集大成として、臓器ごとに関連学会がまとめたものです。胃がんについては、日本胃癌学会が編集を行っており、「胃癌治療ガイドライン」というタイトルで出版・公開しています。また日本医療機能評価機構が厚生労働省の委託を受けて、各学会のガイドラインを収集・評価し、ネットで公開しています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動