肝臓<下>下戸の肝臓病NAFLDには成人の2割が罹患する
NASHのリスクは「低値」「中間値」「高値」で評価される。高値では肝生検の検査が必要になるが、肝臓に針を刺して組織を採るので体の負担が大きく入院が必要になる。いまは超音波検査に似た機器で、外来で体を傷つけることなく肝臓の線維化の程度や脂肪量が調べられる「フィブロスキャン」という検査法がある。中間値以上であれば、とりあえずこの検査で肝臓の状態を調べてもらった方がいいだろう。
■単糖類や鉄分の取りすぎはダメ
では、NAFLDを防ぐには、どのような生活改善が大切になるのか。リスクで大きいのは、主に「炭水化物(糖質)」「中性脂肪」「コレステロール」の取り過ぎだ。
「まず自分がどの栄養素の取り過ぎでメタボになっているか振り返ってみることです。その栄養素を多く含む食品を1~2割程度減らした食生活で、運動習慣の時間を増やすことです。炭水化物でも特に悪いのは『単糖類(ブドウ糖や果糖など)』の取り過ぎです。健康のために果物を多く取る人もいますが、食べても1日に握りこぶし1個分くらいの量に抑えましょう」