肝臓<下>下戸の肝臓病NAFLDには成人の2割が罹患する

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 肝炎から「肝硬変」や「肝がん」に進行する原因として、「肝炎ウイルスの感染(主にB型とC型)」や「大量の飲酒」がよく知られている。しかし、この両方に該当しないから「自分は大丈夫」と安心してはいけない。飲酒の習慣がなくても食生活が偏っていたり、肥満傾向(メタボ)があると、アルコールの過剰摂取と同じように肝機能障害を起こすからだ。

 日本肝臓学会肝臓専門医で「銀座しまだ内科クリニック」(東京都)の島田昌彦院長が言う。

「大量のお酒を毎日のように飲み続けていると、最初の段階では『アルコール性脂肪肝』になります。しかし、実は日本人で多いのは、アルコールが原因ではなく、食べ過ぎによる脂肪肝の方なのです。アルコール摂取量が1日20グラム以下で飲酒習慣がないのに起こる脂肪肝を『非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD=ナッフルド)』と呼びます」

 NAFLDは成人の2割ほどいると推定されていて、うち10~20%が肝細胞が壊死して炎症や線維化が起こる重症型の「非アルコール性脂肪肝炎(NASH=ナッシュ)」とみられている。NASHを治療せずに放置していると、5~10年で5~20%が肝硬変に進行するという。

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