著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

「病院食」制約ある中で1食につき40種類以上が作られている

公開日: 更新日:

 入院している患者さんに病院が提供する食事=病院食は、「治療食」とも呼ばれます。文字通り治療の一環であるうえ、入院中の患者さんにとって数少ない楽しみのひとつともいえる大切なものです。

 そんな病院食が、病院にとって少なくない負担のひとつになっているのも事実です。一般の患者さんの場合、「入院時食事療養費」として1食当たり460円を自己負担してもらっていますが、その金額ではとても賄えるものではありません。施設によっては年間数億円の持ち出しになっているところもあり、病院食が病院経営を圧迫しているのです。

 順天堂医院では、病院食のメニューは栄養科の管理栄養士が考えていて、1食につき40種類以上のメニューが作られます。たとえば、糖尿病や高血圧がある患者さんに応じた制限食をはじめ、腎臓病食や肝臓病食といったように臓器ごとの食事管理が行われているため、多くのメニューが必要になるのです。

 さらに、それぞれに対応するガイドラインに沿って、適切なカロリーや、塩分、タンパク質の量などを計算し、それに応じた食材を選んでメニューを作らなければなりません。また、アレルギー食材を避けたり、鳥インフルエンザが発生した場合などに特定の食材が使えなくなってしまうケースもあり、臨機応変な対応も求められます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ