心臓・血管の専門医が解説 夏の正しい「塩分」の取り方

公開日: 更新日:

 そうはいっても、大抵の人は意識して過度に塩分を取る必要はないという。それには体のメカニズムも関係している。

「地球で初めての生命はおよそ40億年前に微生物として生まれ、それが節足動物や両生類などに進化し、やがて海から陸に上がって生活を行うようになり、その後のめざましい進化で人類が生まれたと考えられています。ですから私たちの体は、太古の時代に海から補給していたミネラル(塩分を含む)を今も必要としていて、食事などで体内に取り込むようにできているのです」

 そのうえ、現代人の食生活は塩分が多い傾向がある。塩分の摂取量について、厚生労働省の食事摂取基準(2020年版)では、1日当たりの目標量は男性7・5グラム未満、女性6・5グラム未満と規定されている。また、世界保健機関(WHO)では同5グラム未満(男女)となっている。

 これをクリアするのは難しい。国民健康・栄養調査(2018年)では、日本人の1日当たりの摂取平均値は男性11・0グラム、女性9・3グラムと目標を大きく上回っている。私たちの食生活は、たとえばカップ麺をスープまで飲めば5グラム前後の塩分を取ってしまう日常があるのだ。各学会による塩分摂取量の目安は、高血圧の人は1日6グラム未満(男女)、腎臓病の人は同3~6グラム未満(男女)と厳しく定められている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…