著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

呼吸器疾患専門誌で報告 男性ホルモンが喘息を予防する

公開日: 更新日:

 喘息はアレルギー性の気道の炎症によって、発作性の呼吸困難が生じる病気です。

 最近、患者数が増えていて、大気汚染などの影響があるとされていますが、正確なことは分かっていません。吸入ステロイドや抗体製剤など、治療薬は次々と開発されていますが、「治す」という薬ではないので、症状がある間は治療を継続しないといけないという厄介さがあります。

 男性ホルモンであるテストステロンやその誘導体には、過剰な免疫を抑制して炎症を改善するような作用があることが知られています。女性ホルモンであるエストロゲンは、それ自体は炎症を抑えるような働きを持っているのですが、喘息はむしろ増やすというデータがあります。

 それでは、男性ホルモンと喘息との関係はどうなのでしょうか? 今年の呼吸器疾患の専門誌に、それについての研究結果が報告されています。

 イギリスで25万人以上を調査した結果、男女とも血液中の男性ホルモンが高いほど喘息になるリスクが低くなっていました(女性にも量は少ないのですが、男性ホルモンがあるのです)。さらに喘息の患者さんでは、男性は男性ホルモンが高いほど呼吸機能が良く、女性は男性ホルモンが高いほど重症での入院が少ないという関係が認められました。

 男性ホルモンは喘息の予防に有効な可能性がありそうです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  5. 5

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  1. 6

    「好感度ギャップ」がアダとなった永野芽郁、国分太一、チョコプラ松尾…“いい人”ほど何かを起こした時は激しく燃え上がる

  2. 7

    衆院定数削減の効果はせいぜい50億円…「そんなことより」自民党の内部留保210億円の衝撃!

  3. 8

    『サン!シャイン』終了は佐々木恭子アナにも責任が…フジ騒動で株を上げた大ベテランが“不評”のワケ

  4. 9

    ウエルシアとツルハが経営統合…親会社イオンの狙いは“グローバルドラッグチェーン”の実現か?

  5. 10

    今井達也の希望をクリアするメジャー5球団の名前は…大谷ドジャースは真っ先に“対象外"