呼吸器疾患専門誌で報告 男性ホルモンが喘息を予防する
喘息はアレルギー性の気道の炎症によって、発作性の呼吸困難が生じる病気です。
最近、患者数が増えていて、大気汚染などの影響があるとされていますが、正確なことは分かっていません。吸入ステロイドや抗体製剤など、治療薬は次々と開発されていますが、「治す」という薬ではないので、症状がある間は治療を継続しないといけないという厄介さがあります。
男性ホルモンであるテストステロンやその誘導体には、過剰な免疫を抑制して炎症を改善するような作用があることが知られています。女性ホルモンであるエストロゲンは、それ自体は炎症を抑えるような働きを持っているのですが、喘息はむしろ増やすというデータがあります。
それでは、男性ホルモンと喘息との関係はどうなのでしょうか? 今年の呼吸器疾患の専門誌に、それについての研究結果が報告されています。
イギリスで25万人以上を調査した結果、男女とも血液中の男性ホルモンが高いほど喘息になるリスクが低くなっていました(女性にも量は少ないのですが、男性ホルモンがあるのです)。さらに喘息の患者さんでは、男性は男性ホルモンが高いほど呼吸機能が良く、女性は男性ホルモンが高いほど重症での入院が少ないという関係が認められました。
男性ホルモンは喘息の予防に有効な可能性がありそうです。