感染対策のベースになる研究論文はどこまで信じていいのか

公開日: 更新日:

 論文の基になったデータは米国の医療データ分析会社が提供したものだったが、その後、この論文にデータを提供したとされるオーストラリアの5つの主要病院が「データは提供していない」と証言。ほかにデータのおかしな点が次々見つかり、この論文は取り消された。英国の報道機関が調べたところ、データを提供したデータ解析会社の本社は民家のようなところで従業員10人ほど。SF作家やアダルト雑誌モデルなどが社員として登録されていて、とても世界中の医療機関がデータを提供しているようには見えなかったらしい。

 要するに、この事件はデータを捏造したやからに他人のふんどしで相撲を取ろうとした専門家が騙されたという構図だ。

 結局、ヒドロキシクロロキンは他の論文でも有効性が否定されていたから、政策変更も問題なく実質的な被害はないとされ、この事件の波紋はうやむやにされたが、新型コロナに関する医学常識や政策には常に危険がはらんでいることは私たちも知っておくべきだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議