白髪は抜かない方がいいというウワサは本当でしょうか?
白髪を抜いたら同じ毛穴からは髪の毛が生えてこない――そんなウワサは本当ではありません。以前と同じく白髪として生えてきます。
それでも、抜くのはおすすめできません。毛根を傷つけて頭皮に炎症を起こしたり、細胞を壊すリスクもあります。抜くよりは、白髪染めをしたり、根元をハサミでカットする方がいいでしょう。
毛髪は頭皮の「毛球部」と呼ばれる神経や血管が集まる部分で作られます。この時点では色は決まっていないのですが、髪が成長する過程で、色素細胞から作られたメラニン色素が着色し黒髪になります。しかし、メラニン色素が作られなかったり、足りなくなると髪に色がつかないので、白髪として生えるのです。
メラニン色素が作られなくなる原因は、遺伝、老化、栄養不足(腸内環境の低下)、ストレスがあげられ、複合的な要因が大きいのが特徴です。
私のクリニックでは、白髪外来を受け付けていて、患者さんには家族歴や生活習慣などを聞き取りし、ストレスや自律神経、腸内環境、ホルモンバランスの改善のための処方をします。分かりやすいのは食生活の見直しですね。たとえば、黒ゴマには、頭皮の血流を促すビタミンEや代謝が良くなるビタミンB2といった成分が含まれています。同じく、ビタミンB2が豊富なチーズ、そして、健康な毛髪や頭皮を作るために欠かせない亜鉛やビタミンB群、抗酸化作用のあるカロテンが含まれる海藻類も白髪予防に効果的だといわれます。