稲妻のような残像が…叶かずゆきさん語る脳動脈瘤との闘い
そこで提案されたのが、例の最新の塞栓デバイスの使用です。僕の瘤のサイズと瘤のある位置がそのデバイスにちょうどマッチするとのことでした。その大学病院でもまだ10人目というレアケース。「もし可能なら、これを入れさせてほしい」と主治医に言われたので、「協力する」という書類にサインしたわけです。
手術はカテーテルによる血管内手術で、そけい部から頭の方まで細い管を入れるというもの。そして昨年のクリスマスの日に手術を受け、無事に今に至っています。本番の手術は全身麻酔で気づいたら終わっていたのですが、手術の2週間前の血管造影検査が不思議な体験だったのでお話しします。
血管の状態や瘤の分布を見るため、目的の血管に造影剤を入れ、X線撮影をする検査なのですが、局部麻酔で行われるのですべて意識があるんです。まずは左足のそけい部から動脈にカテーテルが入ります。ちなみに本番は執刀医の立ち位置から右足そけい部が使われると聞きました。
そしてカテーテルがある程度入ると、「今から造影剤入れます。お尻が熱くなりますので」と言われました。「は?」と驚いていると、ギリギリ我慢できるくらいの熱いお湯がズワーンと腰の辺りを通りすぎるような感覚がしました。一瞬ですが、かなり熱いんです。