堰を切ったように大量の血尿が…漢 a.k.a.GAMIさん膀胱がんを語る
漢 a.k.a.GAMI(ラッパー/46歳)=膀胱の突発性扁平上皮がん
「突発性扁平上皮がん」は悪性の進行がんで、膀胱がんの中でも珍しいタイプだそうです。今年4月の1回目の手術で、がん細胞が筋層まで達していることが分かったので、躊躇する時間的余地もなく、5月に膀胱全摘手術をしました。
前兆は頻尿でした。それまではあまりトイレに行かない方だったんですけど、やけに近くなって……。トイレに行っても出にくい感覚がありました。1時間置きぐらいだったのが、やがて10分刻みになり、一番ひどいときは1分刻みです。「出したいのにトイレに行っても出ない」を何度も繰り返し、やっと出る時には痛みが走る。その時点では勝手に「尿路結石かな」と思っていました。
でも、あるとき驚きの光景を目にしたのです。排尿中、何かが詰まって逆流しているような感覚がしました。「ただ事じゃない」と思い、トイレにこもってマッサージしたりして、尿意のタイミングで思い切り力んでみました。すると、スパーン! と音がするくらいの勢いで何かが飛んだのです。その途端、堰を切ったように血尿が大量に出ました。詰まっていたものが出てホッとしたのもつかの間、あまりの痛さに“大事なところ”をつまんで10分くらい固まりました。
痛みが治まるのを待って便器の中を見たら、血尿の中にふわっと白いものが見えました。割りばしでつまんでみると、小指の先ほどのブニョッとした塊が……。「何これ?」と思うと同時に、「こんな大きさのものが尿道から出てきたのか」と思って血の気が引きました。
その塊を保管して高血圧の治療で通っている病院へ持っていったら、「腫瘍です」と言われ、泌尿器科を紹介されて手術へと話が進んだわけです。
ひとつミスったと思っているのは、手術の日程を決めるとき、目いっぱい遅い方を選択してしまったこと。初見では「そんなに悪いものじゃないのではないか」という話だったのでそうしたんですけど、進行が速いがんだと分かっていたら……と思うと悔やまれます。1回目の内視鏡手術での病理検査の結果、医者も驚くほどの速さで進行していることがわかり、最短で2度目の手術となりました。幸い、転移は見られなかったので、膀胱と転移しそうなところを含めて全摘して、化学療法はありませんでした。