医療でのVR活用<下>医療の向上に貢献 会議や解剖の授業にも
VRアプリを使った基礎解剖の授業では、VR化した人体データを音声解説とともにスマートフォンで閲覧できる。従来の2次元の紙の教科書と違って3次元すべての方向から閲覧でき、また自身の体を移動させながら解剖データを閲覧することで、位置関係を立体的に捉えられ、得られる情報量が格段に増加する。3次元モデルを自由自在に移動、スライス、拡大・縮小、臓器の中に入り込むこともできる。
「特に看護学生などは解剖実習に参加する機会が少なく、解剖が苦手な学生もいます。それに解剖実習には献体や動物の使用など倫理的な問題とコストがかかります。VRアプリなら自分の理解度に合わせて何度も閲覧でき、見たい位置や場所にすぐに移動できます。学生からは『紙の教科書より断然理解しやすい』と好評です」
あらかじめ用意された教材だけでなく、学校のカリキュラム、研修医・若手医師へのトレーニングに使用するオリジナルVR教材コンテンツの制作も可能。講師の専門分野に合わせて「臨床解剖」「人体の機能」「発生学」など、学校ごとに独自のVR教材を作ることができるという。教育から臨床まで、医療の向上にVRが活躍しつつある。