医療でのVR活用<下>医療の向上に貢献 会議や解剖の授業にも
医療分野での「VR(バーチャルリアリティー=仮想現実)」の活用が進められている。医療系ベンチャー「Holoeyes(ホロアイズ)」(東京都港区)が開発した「HoloeyesXR」を使うと、目の前に患者の患部周辺のCG(3次元モデル)が浮かぶように現れるのだ。
これはVRゴーグルなどのヘッドセットを装着すれば誰でも同時に体験できるので、手術などさまざまな治療のシミュレーションに活用されている。さらに「オンライン遠隔共有カンファレンスサービス」をオプション利用すれば、離れた場所にいてもVR空間に参加できるのだ。同社の谷口直嗣CEOが言う。
「このサービスはバーチャルルームを1部屋貸し出して、その立体空間で複数人が3次元モデルを共有できるので遠隔カンファレンス(会議)に使います。たとえば医師が出張先から医局のカンファレンスに参加したり、病院間で共有したり、同じ医局の部屋であっても画像では共有しがたい3次元構造を共有したりと、さまざまなケースで利用することができます」 目の前に再現される3次元モデルのデータは、CTやMRIの臨床で使った実データなので、医療教育の教材としても活用されている。同社は国立看護大学校と共同で教材制作を進めてきた。