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坂本昌也国際医療福祉大学 医学部教授 国際医療福祉大学 内科部長・地域連携部長

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

1日200kcal分の食事減で肥満高齢者の動脈硬化が改善 米大医学部の研究結果が

公開日: 更新日:

 適度な運動をしつつ、1日の摂取カロリーを200キロカロリー減らすと、血管の健康が大幅に改善する可能性がある――。今年8月、「Circulation」という循環器の専門雑誌にこんな研究結果が掲載されました。

 これは、米ウェイクフォレスト大学医学部の研究者が行ったもので、対象としたのは、肥満の高齢者(65~79歳)160人。ランダムに3つのグループに分け、20週間後の体重や動脈の変化を調べました。

 3つのグループとは、「食生活はそのままで、有酸素運動を行うグループ(56人)」「1日のカロリー摂取を200キロカロリー減らし、有酸素運動を行うグループ(55人)」「1日のカロリー摂取を600キロカロリー減らし、有酸素運動を行うグループ(49人)」です。

 まず体重の変化ですが、有酸素運動だけのグループは1.66キロ減。1日の摂取カロリーも減らしたグループでは、200キロカロリーの方が8キロ減、600キロカロリーの方が8.98キロ減でした。

 次に、動脈の硬化度(動脈硬化の程度)は、運動と200キロカロリー削減を行ったグループだけが有意に改善しており、大動脈進展性が21%上昇、脳波伝播速度は8%低下していました。大動脈進展性は低下するほど、また脳波伝播速度は高くなるほど、動脈硬化が進んでいることになります。

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