突発性頚椎硬膜外血腫と闘う三浦雄一郎さん「ストックを突いて歩けるだけ儲けもの」
救急車で運ばれたのは北海道医療センターです。到着すると、必要な検査をしてすぐに手術の準備が始まりました。そこには脊椎・脊髄の専門で有名な先生がいらして、その先生が手術をしてくれるというので「命を預けます」という気持ちでした。
怖いとか不安は感じませんでした。自分でも「これはもう手術以外ないだろう」と思っていましたから。ただ、首から下が全身麻痺していましたから、リハビリに長い時間がかかりそうだということは覚悟しました。そのときすでに聖火ランナーを務めることが決まっていたので、「その日までにはなんとか杖を使って歩けるくらいにはなりたい」と思っていました。
術後は寝たきりの期間が2カ月ほどありました。その後、リハビリ専門病院に転院して、本格的なリハビリの開始です。最初はパワースーツという機械のアシストを使って立ち上がったり、歩いたりしました。でも、やっぱり自分で動くことや人にマッサージをしてもらうことの方が圧倒的に重要で必要なことだと感じました。車いすの操作から、イスを使った立ち上がりや腰掛けなどで少しずつ筋力をつけて、手術から6カ月後にはスキーストックを杖にして歩けるまでになりました。