体内で曲がる「軟性内視鏡」を使う新手術ロボットなら専用手術室も不要に

公開日: 更新日:

 国内で新しいタイプの手術支援ロボットの開発が進められている。国内外で最も普及する手術支援ロボットは米国メーカーが開発した「ダヴィンチ」。2年前には国産初の「hinotori(ヒノトリ)」が登場している。これら既存の手術支援ロボットは、いずれも体内に挿入する部分が曲がらない棒状の内視鏡(硬性内視鏡)を使ったロボットだ。

 一方、開発中のものは、胃や大腸などの内視鏡検査で使用される柔軟に曲がる「軟性内視鏡」と、ロボット技術を融合した手術支援システム。「軟性内視鏡手術システム(FESS=フェス)」と呼ばれる。開発は慶応義塾大学をはじめ複数の大学やhinotoriを開発したメディカロイドなどによる産学連携で進められている。

 どんなシステムなのか。開発プロジェクトの中心メンバーのひとり、湘南慶育病院・消化器外科の和田則仁部長(慶応義塾大学医学部非常勤講師)が言う。

「FESSは体内に挿入する手術動作部と、内視鏡と鉗子(かんし)をモニターで遠隔操作するための操作部から構成されます。手術動作部は1本のしなやかなチューブの中に鉗子とカメラが収められていて、この部分はフレキシブルに曲がりながら患部へと進んでいけます。既存のロボットではアプローチしにくい体深部に到達できるのが最大の強みです」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    日本は強い国か…「障害者年金」を半分に減額とは

  2. 2

    SBI新生銀が「貯金量107兆円」のJAグループマネーにリーチ…農林中金と資本提携し再上場へ

  3. 3

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  4. 4

    「おこめ券」でJAはボロ儲け? 国民から「いらない!」とブーイングでも鈴木農相が執着するワケ

  5. 5

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  1. 6

    侍Jで加速する「チーム大谷」…国内組で浮上する“後方支援”要員の投打ベテラン

  2. 7

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  5. 10

    高市政権の物価高対策「自治体が自由に使える=丸投げ」に大ブーイング…ネットでも「おこめ券はいらない!」