水分補給はしっかりしていているのに熱中症に…正しい対策は?

公開日: 更新日:

 水分補給が熱中症対策で重要と知っている一方、「正しい水分補給」ができている人は多くない。暑さに体が慣れていない今、それほどの気温上昇でなくても熱中症を起こす可能性がある。「熱中症からいのちを守る」を出版した横浜市東部病院患者支援センター長の谷口英喜医師に聞いた。

 東京都で保健体育教諭として働く女性(40代)は旅行先の沖縄で2度、熱中症になったことがある。水分補給はしっかりしていたのに、だ。

「思い返せば、ペットボトルの水しか飲んでいなかった。仕事柄『水分だけでは脱水症、熱中症は防げない』と知っていたのに、実践できていなかった」(女性)

 谷口医師によれば、汗を大量にかいているとき、水分補給だけでは、かえって脱水症状を招くことがあるという。

「汗とともに、汗に含まれるナトリウムも体外に出ていきます。そこへ水だけを補給すると、血液中のナトリウム濃度が低下します。すると、これ以上、ナトリウム濃度が下がらないようにするために一時的に喉の渇きが止まり、水を飲む気がなくなる。同時に、ナトリウム濃度を元に戻すために余分な水分が尿として排泄されてしまう。結果、脱水症状に至り、熱中症発症のリスクを高めるのです」(谷口医師=以下同)

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ