眼科編(12)「シャルルボネ症候群」は加齢黄斑変性症の12%が経験
加齢黄斑変性症とは、モノを見るのに重要な網膜の中心部である黄斑部が変性する病気のこと。日本では視覚障害者手帳交付の原因疾患の第4位で、高齢者の失明につながり、50歳以上で70万人以上の患者がいると推定されている。
では、加齢黄斑変性症の人はどのくらいの確率で幻視が見られるのだろうか? 加齢黄斑変性に関する大規模な調査では12%にシャルルボネの幻視が存在することが報告されているという。
「この病気には黄斑組織が加齢とともに萎縮する萎縮型と滲出型があり、前者の症状はゆっくりと進行。後者は網膜のすぐ下に新しい血管(新生血管)ができて黄斑にダメージを与え、視力が急激に低下することがあります。滲出型では、それ自体でもちらつき、閃光、円、風車、ジグザグなど形のハッキリしない、光る画像が見えることがあります。ある調査では滲出性黄斑変性症患者群の59%が光視症を持っていました。幻視や何かよくわからない画像が見えたときは、精神的なものではない目の病気を疑い、眼科専門医に相談することが大切です」