10歳未満のワクチン接種をどう考えるべきか? 公表データから考察する
「成長過程にある10歳未満の子供たちは新型コロナウイルスが侵入するための受容体が少ない。そのため比較的多くのウイルスに暴露しなければ感染しなかったデルタ株流行期での感染者数はわずかでした。しかし、少ないウイルス量でも感染するオミクロン株流行期では、ワクチン接種もほとんどしていなかった10歳未満の子供の間で新規感染者が増えるのは自然なことです。ただし、急増したということは感染の結果として早く集団免疫を獲得し、他の世代より早く収束する可能性もあります。実際に人口当たりの感染者数は若い世代ではすでにピークを越えています」
■致死率はインフルエンザより低い
では、この年代の子供たちの累積の死者数はどう変化したのか? それまで7人だったのが、7月20~26日に8人、7月27日~8月2日11人、8月3~9日は13人と増えている。当然、警戒は必要だが、致死率でいえば、8月9日時点でのこの年代の累積陽性者数が195万6183人だったことから、0.0006645%ということになる。単純に全数把握の新型コロナウイルスと比較するのは適切とはいえないが、季節性インフルエンザの致死率は0.01~0.05%といわれ、それよりも低い。