末期がん患者がたどる経過について周囲が知っておくべきこと

公開日: 更新日:

 家族の「食べさせたい」気持ちはわかるが、患者の苦しみを増加させる結果になりかねない。

「口からの摂取だけでなく、点滴や胃ろうから水分や栄養も過剰摂取させてしまうと、痰が増えたり、足のむくみ、腹水の増加などにより、『苦しい終末期』になってしまうことが多いのです」

 患者の状態にかかわらず「基準量の点滴」をルール化している病院では、水で溺れるように苦しんで亡くなることも少なくないという。

「抗がん剤で苦しむがん患者さんはいますが、がんそのものによる苦痛は薬の調整や生活環境の改善によって調整できます。結果、最期の時間まで穏やかな看取りにつながることがほとんどです」

 だからこそ、進行がんの告知を受けたときには、無理に「治療」にこだわらず、症状に適した「対症療法」「緩和ケア」を検討する。それが残された人生を有意義に過ごせる道であり、ときに「延命」につながる道なのである。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 2

    農水省ゴリ押し「おこめ券」は完全失速…鈴木農相も「食料品全般に使える」とコメ高騰対策から逸脱の本末転倒

  3. 3

    TBS「ザ・ロイヤルファミリー」はロケ地巡礼も大盛り上がり

  4. 4

    維新の政権しがみつき戦略は破綻確実…定数削減を「改革のセンターピン」とイキった吉村代表ダサすぎる発言後退

  5. 5

    3度目の日本記録更新 マラソン大迫傑は目的と手段が明確で“分かりやすい”から面白い

  1. 6

    国分太一“追放”騒動…日テレが一転して平謝りのウラを読む

  2. 7

    粗品「THE W」での“爆弾発言”が物議…「1秒も面白くなかった」「レベルの低い大会だった」「間違ったお笑い」

  3. 8

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  4. 9

    「おまえになんか、値がつかないよ」編成本部長の捨て台詞でFA宣言を決意した

  5. 10

    巨人阿部監督の“育成放棄宣言”に選手とファン絶望…ベテラン偏重、補強優先はもうウンザリ