末期がん患者がたどる経過について周囲が知っておくべきこと

公開日: 更新日:

 とはいえ、がん患者の多くは治療の有無にかかわらず、がんは進行する。

「リンパ節への転移、他の臓器への転移、そして腹膜や胸膜へ広がるだけでなく、皮膚の表面にまでがんが浸潤する場合もあります。骨に転移し、その周りにある神経に浸潤することで腰や足のしびれや痛みが強く出ることも少なくありません。肺でのがんの広がりは呼吸苦につながります」

 これらは進行したがんに見られる症状のほんの一部だが、どのがん種でも末期に多く見られるのは「黄疸」「腹水」「食欲低下」だという。

肺がん胃がん乳がんなどほとんどのがんは肝臓へ転移しやすくなります。そのため末期がんの患者さんは、肝臓で処理できなくなったアンモニアが体に広がることで、黄疸が見られるようになります。眼球から始まり、全身が徐々に黄色くなってきます。その頃には、アンモニアが脳に到達することで、『肝性脳症』という症状が起こります。頭がぼーっとして、幻覚が出たり、精神的に不安定になり、そのうち全体として意識状態が悪くなっていきます」

 肝転移は腹水を招く。もともとお腹の中には腸がスムーズに動くために少量の腹水が存在しているが、これが多くなる。肝臓の機能がストップしてアルブミンが作られなくなり、血管の外に出た水分を血管に戻して保持できなくなるからだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  2. 2

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  3. 3

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 4

    「べらぼう」大河歴代ワースト2位ほぼ確定も…蔦重演じ切った横浜流星には“その後”というジンクスあり

  5. 5

    100均のブロッコリーキーチャームが完売 「ラウール売れ」の愛らしさと審美眼

  1. 6

    「台湾有事」発言から1カ月、中国軍機が空自機にレーダー照射…高市首相の“場当たり”に外交・防衛官僚が苦悶

  2. 7

    高市首相の台湾有事発言は意図的だった? 元経産官僚が1年以上前に指摘「恐ろしい予言」がSNSで話題

  3. 8

    AKB48が紅白で復活!“神7”不動人気の裏で気になる「まゆゆ」の行方…体調は回復したのか?

  4. 9

    大谷翔平も目を丸くした超豪華キャンプ施設の全貌…村上、岡本、今井にブルージェイズ入りのススメ

  5. 10

    高市政権の「極右化」止まらず…維新が参政党に急接近、さらなる右旋回の“ブースト役”に