認知症の患者は身近な人から忘れてしまうのは本当なのか

公開日: 更新日:

 認知症による物忘れには順番があります。それも、認知症の種類によって異なります。

 全体の約67%を占める「アルツハイマー型認知症」であれば、まずは物忘れと呼ばれる記憶障害から、自分がいる場所や日時が分からなくなる見当識障害に移行します。その後、判断力や理解力が低下し、身の回りのことを自分でできなくなるうえ、意思疎通が難しくなっていきます。その人が誰かを識別する能力は、意思疎通ができなくなって寝たきりになる前の最後の段階まで、残っていることが多いと考えられています。

 アルツハイマー型の場合、アミロイドβといったタンパク質が脳に沈着し、脳が萎縮することで神経細胞の障害が引き起こされます。初期段階では、アミロイドβが短期記憶をつかさどる「海馬」からたまっていくため、最初に新しいことが覚えられない症状が出てきます。その後、アミロイドβは昔の記憶を保管している大脳にたまっていきます。

 ですから、古い記憶やよく知っている人の認識はある程度、最後まで残ります。

 一方で、早期に人を認識できなくなって、身近な人を忘れてしまうのが「レビー小体型認知症」といわれています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  2. 2

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  3. 3

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  4. 4

    最後はホテル勤務…事故死の奥大介さん“辛酸”舐めた引退後

  5. 5

    片山さつき財務相“苦しい”言い訳再び…「把握」しながら「失念」などありえない

  1. 6

    ドジャースからWBC侍J入りは「打者・大谷翔平」のみか…山本由伸は「慎重に検討」、朗希は“余裕なし”

  2. 7

    名古屋主婦殺人事件「最大のナゾ」 26年間に5000人も聴取…なぜ愛知県警は容疑者の女を疑わなかったのか

  3. 8

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  4. 9

    高市内閣支持率8割に立憲民主党は打つ手なし…いま解散されたら木っ端みじん

  5. 10

    《もう一度警察に行くしかないのか》若林志穂さん怒り収まらず長渕剛に宣戦布告も識者は“時間の壁”を指摘