物価上昇前に検討したい 人工骨を使わない歯科インプラント

公開日: 更新日:

 とはいえ歯科インプラントにはデメリットも存在する。公的保険外なので治療費が高い、手術が必要なうえ抜歯や経過観察期間などを含め1年近くかかることもある、手術後のメンテナンスが必要である、インプラント歯周炎と呼ばれる感染症にかかる場合がある、などだ。

「この中でもとくに患者さんが嫌がるのが長い治療期間と感染症リスクです。その一因にインプラント治療に使われる人工骨と呼ばれる歯科材料があります。インプラントの前治療などに多くの歯科医師は歯周病などで溶けたあごの骨(歯槽骨)を人工骨を使って再生します。それが原因でさまざまなトラブルが発生するのです」 

 人工骨は骨の成分に類似した人工の化合物や牛などの動物の骨を処理したものなどで作られている。その粒子をやせた歯槽骨の上に載せて時間が経つと、骨芽細胞が粒子の間に入り込み、その部分に骨が再生される。そのうえでボルトを埋め込み人工歯冠などを載せていく。しかし固形の人工物を体内に入れるため、手術も大掛かりとなり術後の痛みや腫れが問題になる。

「人工骨は人間にとって異物です。そのため人工骨がある場所に炎症が起きて痛みや腫れが生じる場合があります。細菌が感染するとあご全体が腫れ上がっておたふく風邪のような症状になることもある。その場合は治りにくく人工骨を取り去る手術が別途必要になるケースもあります」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし