著者のコラム一覧
安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

「五十肩」とは中高年の「肩が痛い」をひっくるめた総称である

公開日: 更新日:

 肩の専門外来には「近所の医者で五十肩と言われたが治らない」「五十肩ではなく腱板断裂ではないか」という患者さんが多数訪れます。

 患者さんも医者も、誰もが何げなく使う「五十肩」。中高年の代表的な肩痛の原因となる「腱板断裂」「石灰沈着性腱板炎」「凍結肩」「機能的な肩の障害」と、どのような関係になるのでしょうか。

 別の例えで考えてみます。

「咳が出る」「体調が悪い。熱も出た」と言われたら、とりあえず「風邪」と考えますね。同様に「五十肩」も、実は中高年の「肩が痛い・動かせない」ものを単にひっくるめた総称なのです。正確には病名ではないのですね。

 それでも、発症間もない頃ならたとえ「風邪」や「五十肩」でも腑に落ちるものです。しかし、咳が3カ月続く人が「風邪」と言われても普通は納得いきません。「咳」の理由として、ぜんそくだ、肺炎だ、結核だなどと原因を突き止め納得いく病名をつけてほしいものです。

 長引く肩の痛みでも、腱板の断裂部分や腱板に付いた石灰を検査結果として示してもらうと、「五十肩」から離れて「腱板断裂」「石灰沈着性腱板炎」という病名がスッと頭に入ります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    冷静になれば危うさばかり…高市バブルの化けの皮がもう剥がれてきた

  2. 2

    すい臓がんの治療が成功しやすい条件…2年前に公表の日テレ菅谷大介アナは箱根旅行

  3. 3

    歪んだ「NHK愛」を育んだ生い立ち…天下のNHKに就職→自慢のキャリア強制終了で逆恨み

  4. 4

    高市首相「午前3時出勤」は日米“大はしゃぎ”会談の自業自得…維新吉村代表「野党の質問通告遅い」はフェイク

  5. 5

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  1. 6

    「戦隊ヒロイン」ゴジュウユニコーン役の今森茉耶 不倫騒動&未成年飲酒で人気シリーズ終了にミソ

  2. 7

    維新・藤田共同代表に自民党から「辞任圧力」…還流疑惑対応に加え“名刺さらし”で複雑化

  3. 8

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 9

    志茂田景樹さんは「要介護5」の車イス生活に…施設は合わず、自宅で前向きな日々

  5. 10

    NHK大河「べらぼう」に最後まで東洲斎写楽が登場しないナゼ?