安井謙二
著者のコラム一覧
安井謙二整形外科医

東京女子医大整形外科で年間3000人超の肩関節疾患の診療と、約1500件の肩関節手術を経験する。現在は山手クリニック(東京・下北沢)など、東京、埼玉、神奈川の複数の医療機関で肩診療を行う。

石灰が腱板内にたまる「石灰沈着性腱板炎」レントゲンで容易に診断

公開日: 更新日:

 中高年の肩の痛みとしてくくられていた「五十肩」。実はきちんと調べてみると「凍結肩」「腱板断裂」という独立した疾患である可能性があることについて、これまで話してきました。

 今回は「凍結肩」「腱板断裂」と並び、最初は「五十肩」と思われて受診されることの多い「石灰沈着性腱板炎」についてお話しします。

 石灰沈着性腱板炎は、その名のとおり、石灰が腱板内にたまる疾患です。石灰とはカルシウムを含む化合物の一種を指します。なぜ腱板内にたまりやすいのかについては諸説あり、はっきりとした見解はわかっていません。

 人口に対する発生頻度は2.7~22%とされます。40~50歳代の右肩に発生しやすく、報告にもよりますが、性差では女性に起こりやすいようです。

 主な症状は、肩を動かしたときの引っ掛かりや痛み、日常生活に支障をきたす可動制限です。

 頻度と症状だけみれば、いわゆる「五十肩」と思われるのも仕方がないかもしれません。また、きちんと調べておかないと、これまで整理してきた「凍結肩」「腱板断裂」とも混同するかもしれませんね。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    巨人入り若林楽人「4番気取り」なら新天地でも“塩漬け”不可避…打撃に求められる意識改革

    巨人入り若林楽人「4番気取り」なら新天地でも“塩漬け”不可避…打撃に求められる意識改革

  2. 2
    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  3. 3
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 4
    3選狙う小池都知事は情勢調査「一歩リード」も圧勝遠のき焦り…街頭演説も聴衆スカスカ

    3選狙う小池都知事は情勢調査「一歩リード」も圧勝遠のき焦り…街頭演説も聴衆スカスカ

  5. 5
    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚

    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚会員限定記事

  1. 6
    巨人が「同ポジション」緊急トレードで企む真の狙い…松原を西武に放出、若林を獲得

    巨人が「同ポジション」緊急トレードで企む真の狙い…松原を西武に放出、若林を獲得

  2. 7
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  3. 8
    小池知事は都知事選TV討論すべて拒絶…蓮舫氏が街頭演説で暴露し「逃げないで」と訴え

    小池知事は都知事選TV討論すべて拒絶…蓮舫氏が街頭演説で暴露し「逃げないで」と訴え

  4. 9
    永尾柚乃はもはや子役にあらず …すでに「助演女優レベル」の納得エピソード

    永尾柚乃はもはや子役にあらず …すでに「助演女優レベル」の納得エピソード

  5. 10
    高橋一生「ブラック・ジャック」の不安材料? ドクター・キリコ=石橋静河にやはり疑問の声

    高橋一生「ブラック・ジャック」の不安材料? ドクター・キリコ=石橋静河にやはり疑問の声