著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

誘惑やミスを回避する「イフ・ゼン・プランニング」

公開日: 更新日:

 コンスタンツ大学のアヒトジガーらは、94人の学生を対象に、「もし私が選んだ〇〇(高カロリーな食べもの)を食べたくなったら、そのことを忘れる!」と、3回唱えさせ、1週間後に、学生たちがどれくらいその食べものを食べたかを調べる実験(2008年)を行いました。

 その結果、「イフ・ゼン・プランニング」を実践した被験者は、実践していない学生に比べ、消費量が半分近くまで減っていたといいます。

 また、107人のテニス選手を対象にした実験では、試合の当日に、次の3つのグループに分け、試合後、本人やトレーナー、チームメートにパフォーマンスなどを評価してもらいました。【グループ1】「試合に勝つために一球入魂でプレーをする」と目標を書いた紙に下線を引かせて署名してもらったグループ。【グループ2】同じ目標を目指した上で「イフ・ゼン・プランニング」をしたグループ(たとえば、「集中力が足りない」などネガティブな気持ちが起こったら「落ち着くようにする」など)。【グループ3】何もしないグループ。

 すると、【グループ2】の「イフ・ゼン・プランニング」をしたグループの評価が劇的に良かったというのです。「イフ・ゼン・プランニング」は、前頭前皮質に機能障害をきたしている患者にも有効ともいわれています。「絶対にそうする」というパターンを決めてしまえば、脳や体はスムーズにアクションしやすくなります。仕事においては、「もし〇〇をやるときは、必ずここを注意して、終わったあともここをチェックする」というように、(then)を決めておくと、よく起こりがちなミスを回避しやすくなったり、ストレスを回避しやすくなったりします。意識的にパターンをつくると◎ですよ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る