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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

経済・教育格差が高齢者の健康格差を生む 日本も欧米並み?

公開日: 更新日:

 健康格差は、経済格差・教育格差と相関していることが、世界的に知られています。所得が多いほど、教育水準(最終学歴)が高いほど、健康で長生きな人が多く、低所得で教育水準の低い人ほど、不健康で寿命も短いというのです。

 日本は欧米諸国と比べて所得格差が小さく、国民全体の教育水準も高いことから、健康格差はあまり大きくないだろうと思われてきました。ところが日本でも、同様の傾向があることが、次第に明らかになってきています。

 たとえば2012年に発表された論文では、約1万5000人の高齢者(平均年齢71歳)を4年間追跡調査し、その間に死亡・要介護になった人数を調べ、所得・教育との関係を解析しています。所得は等価所得(家族1人当たりの可処分所得とおおむね一致)が100万円から400万円以上までの4階級、教育は期間が6年未満(小卒未満)から13年以上(大学・短大進学)の4階級に分けています。

 その結果、男性では等価所得が100万円未満の要介護リスクが最も高く、400万円以上と比べて1.60倍になっていました。また教育年数が6年未満の階級は、13年以上と比べて、死亡リスクが約1.45倍も高かったのです。

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