著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

気圧や揺れが影響する「高層階症候群」は本当にあるのか

公開日: 更新日:

 建築と健康の関係で、対策が立てられているのは「室温」と「換気」ぐらいです。しかしかなり以前から、超高層ビルやマンションが健康に及ぼす影響について、さまざまなウワサや臆測がささやかれてきました。主に高層階の住民からの訴えなので、「高層階症候群」などと呼ばれています。

 耳に違和感を覚える、頭痛に襲われやすくなった、という人が多いようですが、それらは「気圧」の影響と考えられています。気圧は10メートル当たり1hPa(ヘクトパスカル)減りますから、40階建ての超高層マンションの最上階(約150メートル)は地上から15hPaも低いことになります。台風などの気圧変化で自律神経が乱れ、頭痛や喘息発作が起こるのを「天気病」と言います。それと同じ現象でしょう。

 同様に、関節痛や関節リウマチも天気と関係しており、気圧が低下すると痛みが増すといわれています(天気痛)。高層階の住民の中にも、関節の痛みを訴える人が多いといいますから、やはり気圧と関係しているのかもしれません。

 他には子供の精神的な発達に悪影響を及ぼすとか、高層階の子供は学校の成績が伸びないといったウワサが散見されますが、支持者は少ないようです。しかしインターネットで海外の書き込みなどを調べてみると、高層ビルの上階は精神的なストレスが大きいため、うつなどの原因になるといった意見が少なくありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  2. 2

    ヤクルト「FA東浜巨獲得」に現実味 村上宗隆の譲渡金10億円を原資に課題の先発補強

  3. 3

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  4. 4

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  5. 5

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  1. 6

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  2. 7

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  3. 8

    早大が全国高校駅伝「花の1区」逸材乱獲 日本人最高記録を大幅更新の増子陽太まで

  4. 9

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ

  5. 10

    官邸幹部「核保有」発言不問の不気味な“魂胆” 高市政権の姑息な軍国化は年明けに暴走する