著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

デジタル・デバイド=情報格差で個人の健康格差が拡大する時代がやってくる

公開日: 更新日:

 スマートウオッチとAIとIoT家電による健康管理。データやAIに管理されているようで、面白くないと感じる人も多いかもしれません。

 しかし医療の世界では、すでに電子カルテなどが当たり前になっています。以前は「医者はパソコンの画面ばかり見て患者の顔を見ない」といった話をよく聞きましたが、最近はあまり聞かれません。患者もだいぶ慣れてきたのでしょう。医療がすでにデジタル化されているのですから、健康管理もそうなるのは、むしろ当然の流れでしょう。

 しかもデジタル機器やAIは、健康で快適な住環境や職場環境を、自動的に整えてくれるのです。自分でエアコンのスイッチを調節したり、窓を開け閉めしたりする手間がいらなくなって、ずいぶん楽になるはずです。とはいえ、とくに60代以上はデジタルに不慣れな世代ですから、新しい技術を使いこなすのは容易ではありません。とくに機器やアプリの最初の設定が大きなハードルです。スマートウオッチをパソコンアプリにつなぐだけで、大変な苦労をした人も大勢いるでしょう。

 ご存じだと思いますが、スマートウオッチは買ってきてもすぐには使えません。まずスマートフォンにBluetoothで接続し、専用アプリからさまざまな初期設定を行う必要があります。ところがBluetooth接続には、ちょっとしたコツがあって、そこでつまずく人が大勢います。しかもマニュアル自体がデジタル化されており、箱に印刷されたQRコードを読み込んで、ネット上のマニュアルに接続し……といった手間が必要になることがあります。慣れている人には、どうということもないですが、初めて経験する人には大きな壁ですし、途中で放り出してしまう人もいるかもしれません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇