デジタル・デバイド=情報格差で個人の健康格差が拡大する時代がやってくる
スマートウオッチとAIとIoT家電による健康管理。データやAIに管理されているようで、面白くないと感じる人も多いかもしれません。
しかし医療の世界では、すでに電子カルテなどが当たり前になっています。以前は「医者はパソコンの画面ばかり見て患者の顔を見ない」といった話をよく聞きましたが、最近はあまり聞かれません。患者もだいぶ慣れてきたのでしょう。医療がすでにデジタル化されているのですから、健康管理もそうなるのは、むしろ当然の流れでしょう。
しかもデジタル機器やAIは、健康で快適な住環境や職場環境を、自動的に整えてくれるのです。自分でエアコンのスイッチを調節したり、窓を開け閉めしたりする手間がいらなくなって、ずいぶん楽になるはずです。とはいえ、とくに60代以上はデジタルに不慣れな世代ですから、新しい技術を使いこなすのは容易ではありません。とくに機器やアプリの最初の設定が大きなハードルです。スマートウオッチをパソコンアプリにつなぐだけで、大変な苦労をした人も大勢いるでしょう。
ご存じだと思いますが、スマートウオッチは買ってきてもすぐには使えません。まずスマートフォンにBluetoothで接続し、専用アプリからさまざまな初期設定を行う必要があります。ところがBluetooth接続には、ちょっとしたコツがあって、そこでつまずく人が大勢います。しかもマニュアル自体がデジタル化されており、箱に印刷されたQRコードを読み込んで、ネット上のマニュアルに接続し……といった手間が必要になることがあります。慣れている人には、どうということもないですが、初めて経験する人には大きな壁ですし、途中で放り出してしまう人もいるかもしれません。