著者のコラム一覧
奥真也医師、医学博士、経営学修士。医療未来学者

1962年大阪生まれ。東大医学部卒業後、フランス留学を経て埼玉医科大学総合医療センター放射線科准教授、会津大学教授などを務める。その後、製薬会社、薬事コンサルティング会社、医療機器メーカーに勤務。著書に中高生向けの「未来の医療で働くあなたへ」(河出書房新社)、「人は死ねない」(晶文社)など。

精神疾患は技術の発達で原因遺伝子や病態の解明が劇的に進む

公開日: 更新日:

 磁気刺激による治療も始まっている。うつ病では思考や意欲をつかさどる背外側前頭前野の働きが低下していることが知られている。そこを磁気によって刺激して活性化するというものが「うつ病TMS(経頭蓋磁気刺激)治療」だ。

「うつ病の人は喜びや不安をつかさどる脳の『偏桃体』と呼ばれる場所が過剰に活動して不安を感じやすくなっていることもわかっています。磁気刺激により、偏桃体の活動を抑制する力が回復し、喜びが感じられるようになると考えられているのです」

 むろん、精神疾患分野の創薬も量子コンピューターや遺伝子検査などの登場により発達すると期待されている。

「精神疾患では原因遺伝子の同定や病態の解明が劇的に進むと考えられます。その結果、精神疾患の診断と治療は飛躍的に進化すると考えています」 (おわり)

【連載】医療未来学者が語る 5大国民病のこれから

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    参政党が消せない“黒歴史”…党員がコメ農家の敵「ジャンボタニシ」拡散、農水省と自治体に一喝された過去

  2. 2

    極めて由々しき事案に心が痛い…メーカーとの契約にも“アスリートファースト”必要です

  3. 3

    遠野なぎこさんを追い詰めたSNSと芸能界、そして社会の冷酷無比な仕打ち…悲惨な“窮状証言”が続々

  4. 4

    ドジャース大谷翔平がついに“不調”を吐露…疲労のせい?4度目の登板で見えた進化と課題

  5. 5

    “お荷物”佐々木朗希のマイナー落ちはド軍にとっても“好都合”の理由とは?

  1. 6

    清水賢治社長のセクハラ疑惑で掘り起こされるフジテレビの闇…「今日からシリケン」と“お触り続行”の過去

  2. 7

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  3. 8

    千葉を「戦国」たらしめる“超過密日程”は今年の我が専大松戸に追い風になる手応えを感じています

  4. 9

    趣里はバレエ留学後に旧大検に合格 役者志望が多い明治学院大文学部芸術学科に進学

  5. 10

    参政党が参院選で急伸の不気味…首都圏選挙区で自公国が「当選圏外」にはじかれる大異変