精神疾患は技術の発達で原因遺伝子や病態の解明が劇的に進む
磁気刺激による治療も始まっている。うつ病では思考や意欲をつかさどる背外側前頭前野の働きが低下していることが知られている。そこを磁気によって刺激して活性化するというものが「うつ病TMS(経頭蓋磁気刺激)治療」だ。
「うつ病の人は喜びや不安をつかさどる脳の『偏桃体』と呼ばれる場所が過剰に活動して不安を感じやすくなっていることもわかっています。磁気刺激により、偏桃体の活動を抑制する力が回復し、喜びが感じられるようになると考えられているのです」
むろん、精神疾患分野の創薬も量子コンピューターや遺伝子検査などの登場により発達すると期待されている。
「精神疾患では原因遺伝子の同定や病態の解明が劇的に進むと考えられます。その結果、精神疾患の診断と治療は飛躍的に進化すると考えています」 (おわり)