【麻疹】感染力が強く手洗いやマスクだけでは予防できない
「麻疹」とは一般的に「はしか」とも呼ばれ、麻疹ウイルスに感染することによって引き起こされる急性の全身感染症です。語源には、「芒(はしか・のぎ)」とする説があります。芒とは、稲や麦などイネ科植物の穂先の針のようにとがった硬い毛のことで、麻疹にかかるとこれに触れたかのように痛がゆくなることから、「はしか」と呼ばれるようになったともいわれています。
麻疹ウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ伝播し、その感染力は非常に強いといわれています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症しますが、一度、麻疹ウイルスに感染したり予防接種を受けたりすると一生免疫が持続するため、麻疹を発症することはないとされています。
感染すると約10日後に発熱やせき、鼻水といった風邪のような症状が現れます。2~3日熱が続いた後、39度以上の高熱と発疹が生じます。この発疹が麻の実のように見えることから麻疹と名付けられたという説もあります。
肺炎や中耳炎を合併しやすく、患者1000人に1人の割合で脳炎が発症するといわれています。重症化すると乳幼児などでは命を落とすケースもあり、死亡する割合は、先進国であっても1000人に1人と報告されています。