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荒川隆之薬剤師

長久堂野村病院診療支援部薬剤科科長、薬剤師。1975年、奈良県生まれ。福山大学大学院卒。広島県薬剤師会常務理事、広島県病院薬剤師会理事、日本病院薬剤師会中小病院委員会副委員長などを兼務。日本病院薬剤師会感染制御認定薬剤師、日本化学療法学会抗菌化学療法認定薬剤師といった感染症対策に関する専門資格を取得。

【日本脳炎】症状が現れた時点で脳細胞は破壊されている…予防が重要

公開日: 更新日:

「日本脳炎」は日本脳炎ウイルスにより発生する疾病で、蚊を介して感染します。以前は子供や高齢者に多くみられました。突然の高熱、頭痛、嘔吐などで発病し、意識障害やマヒなどの神経系の障害を引き起こす病気で、後遺症を残すこともあります。

 世界的には年間3万~4万人の報告があるのですが、日本ではワクチンの定期接種によってすでに流行が阻止されています。1966年の2017人をピークに減少し、92年以降の発生数は毎年10人以下となっています。ただし、毎年夏になると日本脳炎ウイルスを持った蚊は発生しているので、引き続き日本でも感染の可能性があることに注意しなければなりません。

 一般的に、日本脳炎ウイルスに感染した場合、潜伏期は6日から16日間とされ、およそ1000人に1人が日本脳炎を発症します。発症した人の20~40%が亡くなり、生存者の45~70%に精神障害などの後遺症が残ってしまうといわれています。

 特異的な治療法はなく、対症療法が中心です。大量ステロイド療法は一時的に症状を改善することはあっても、予後、死亡率、後遺症などを改善することはないと報告されています。

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