著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

加齢で免疫機能が低下すると「帯状疱疹」を発症しやすくなる

公開日: 更新日:

 用いられる抗ウイルス薬は、バラシクロビルやアシクロビル、ファムシクロビルなどがあり、クスリの成分名の最後に「○○ビル」と付くのでわかりやすいと思います。ちなみに、水痘・帯状疱疹ウイルスに用いるクスリだけでなく、ほとんどの抗ウイルス薬には○○ビルという名前が付けられており、これはウイルス(virus)の頭3文字のvirが由来です。

 水痘・帯状疱疹ウイルスに最初に感染したときには水痘、いわゆる水ぼうそうを発症します。そしてここからがポイントなのですが、水痘が治癒しても“水痘・帯状疱疹ウイルスが体からいなくなる”というケースはありません。ウイルスはほとんどの方の神経に今このときも存在しています。

 ただ、ウイルスがいるからといって通常は何も悪さをしません。ただそこにいるだけです。ところが、加齢に伴う免疫機能の低下や、免疫を抑制するようなクスリを使っている場合、疲労やストレスが強くなったときなどに、ウイルスが神経から出てきて帯状疱疹を発症するのです。

 このことから、帯状疱疹自体が免疫力や疲労、ストレスの目安になるとも言えます。そういった研究もされているのですが、発症しないに越したことはありませんよね。もし、「ピリピリした痛み」を伴う皮膚症状が現れた場合には、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    NHK朝ドラ「ばけばけ」が途中から人気上昇のナゾ 暗く重く地味なストーリーなのに…

  2. 2

    ドジャース大谷翔平32歳「今がピーク説」の不穏…来季以降は一気に下降線をたどる可能性も

  3. 3

    「おまえもついて来い」星野監督は左手首骨折の俺を日本シリーズに同行させてくれた

  4. 4

    ドジャース佐々木朗希の心の瑕疵…大谷翔平が警鐘「安全に、安全にいってたら伸びるものも伸びない」

  5. 5

    巨人大ピンチ! 有原航平争奪戦は苦戦必至で投手補強「全敗」危機

  1. 6

    巨人が李承燁コーチ就任を発表も…OBが「チグハグ」とクビを傾げるFA松本剛獲得の矛盾

  2. 7

    衝撃の新事実!「公文書に佐川氏のメールはない」と財務省が赤木雅子さんに説明

  3. 8

    ドジャース首脳陣がシビアに評価する「大谷翔平の限界」…WBCから投打フル回転だと“ガス欠”確実

  4. 9

    高市首相が漫画セリフ引用し《いいから黙って全部俺に投資しろ!》 金融会合での“進撃のサナエ”に海外ドン引き

  5. 10

    日本ハムはシブチン球団から完全脱却!エスコン移転でカネも勝利もフトコロに…契約更改は大盤振る舞い連発