正月に食中毒を起こさない! 「日本食中毒防止協会」専務理事が指摘する対策3原則
なお、餅つき大会での集団食中毒は複数報告されている。あるケースではあんこを作る際、小豆に砂糖を加えて煮詰めるまで1日常温状態に。その間にセレウス菌が増殖したためとされている。
【③やっつける】
加熱しても生き残る細菌がいるため万全ではないが、それでも「加熱」は基本。調理器具は定期的に熱湯消毒をする。家庭での食中毒対策に取り組む傍ら、念頭に置いておきたいのは、「調理のプロがいる飲食店でも、食中毒対策は万全ではない」という点。
「2000年以降、全体の食中毒件数は減っているのですが、飲食店での件数は増えています。日本の食中毒を撲滅するには、飲食店の注意力がカギと考えています」
発生件数が多い食中毒の原因菌として、カンピロバクター菌がある。ほとんどが鶏肉の加熱不足によるもの。
「じつは、カンピロバクター菌の食中毒の大半は飲食店で起こっています。2019年の調査では、飲食店での発生率が約85%でした」