逆流性食道炎を予防 赤ワインを飲んだ後は頭を高くして寝る
いよいよ令和元年もあと半月。年内の仕事も先が見えてきて「クリスマスはおしゃれに赤ワインに肉料理」という人もいらっしゃると思います。しかし、赤ワインは酸性度が高く、食道の粘膜を刺激して胸やけを起こしやすく、いったん胃の中に入ったワインが逆流して再び食道の粘膜を刺激する、「逆流性食道炎」を起こしやすいといわれます。
赤ワインが「コレシストキニン」というホルモンの分泌を促すといわれているからです。この物質は膵液の分泌を促したり、胆のうを収縮させ胆汁の分泌を促したりする一方で、食道と胃のつなぎ目である噴門部にある下部食道括約筋を緩める働きがあります。そのため、逆流を起こしやすくなるのです。特に40代以降は下部食道括約筋が弱まり、次第に逆流現象が生じやすくなるので注意が必要です。
単に胃酸が逆流しただけでは病気とは言えませんが、頻繁に逆流現象を起こすようになると「非びらん性胃食道逆流症」という病気とされ、さらにびらんや潰瘍ができるようになると逆流性食道炎という病気になります。
逆流現象が常態化してびらんや潰瘍ができるようになると、胃酸に弱い食道の粘膜が胃酸に強い胃の粘膜に置き換えられていきます。これをバレット粘膜と呼び、食道がんの前がん病変として最近急激に注目されています。