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佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

被災地でがん治療を受けている患者に必要な対策はいくつもある

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 注射などの薬物療法を受けているとすれば、最近受けたのはいつか? その情報が重要です。一般的に白血球数は治療から14日後が最低値になります。高熱、肺炎が起こったら入院することも必要になるかもしれません。抗がん剤治療中は、直後であれば免疫力の低下で感染症にかかりやすいのです。可能であれば定期的に、肺炎球菌、インフルエンザ、新型コロナなどのワクチン接種を行っておいた方が良いと思います。

 長く避難所で過ごさなければならない場合もあるでしょうから、感染症には気をつけなければなりません。私たちはこの3年間、新型コロナの流行で、こまめな手洗い、身体的距離の確保、必要時のマスク着用、換気といった対策を学びました。手洗いと消毒が大切ですが、水の供給が少ない場合が心配です。

 集団生活では、下痢や嘔吐があった場合はノロウイルス感染も心配です。ノロウイルスはアッという間に広がります。患者さんが嘔吐し、汚れた絨毯からでも広がります。がんと違って、感染症は急速に健康な人にも広がります。感染症の専門医が現場を把握し、指導していただくのが大切だと思います。

 繰り返しになりますが、感染症予防は手洗いが基本です。手指衛生、できればソーシャルディスタンスを保つ、そしてマスク着用です。冬は寒いので体の保温も大切ですが、換気も必要です。

 大変でしょうが、助かった命を守り続けていただきたいと思います。

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