篠山紀信さんも坂田利夫さんに続き…27年間で8.3倍増の「老衰」とは穏やかな最期なのか?
「死を看取る側にとって大事なことは、枯れるような死に向かう準備の段階では何もやらないこと。それこそが最良な医療なのです」(山中院長)
■男性よりも女性が多く60代でも
そんな老衰は近年、急激に増えている。厚労省発表の人口動態統計2022年(確定版)によると、老衰は1995年の総死亡数92万2139人のうち2万1493人(男性6684人、女性1万4809人)だったが、2022年には156万9050人中17万9529人(男性4万9964人、女性12万9565人)と8.3倍に増加している。
総死亡に占める割合も2.3%から11.4%に増え、死因における老衰の順位も1995年の6位から2022年には3位にアップしている。
なお、老衰における男性の割合は31%から27%に低下し、女性の割合は68.9%から72.2%と増えている。
興味深いのは死因が老衰とされた年齢で、先述した人口動態統計2022年(確定版)によると、70代5938人、80代5万573人、90代10万4492人、100歳以上1万8210人だったが、60代でも313人もいた。