糖尿病の人は「帯状疱疹」を発症しやすい…50歳以上は要注意
■肺炎や肝炎を合併することも
カナダの研究では、成人の糖尿病患者の帯状疱疹有病率が高く、男性よりも女性の方にその傾向が強いことが報告されている。日本でも、糖尿病患者の帯状疱疹の発生率と、他の基礎疾患がある患者の帯状疱疹の発生率を比較した研究において糖尿病の発生率が高いことが確認されている。
「ただでさえ厄介な帯状疱疹ですが、さまざまな合併症があることが知られています。代表的なものは帯状疱疹の皮膚症状が治まった後も、痛みが継続する帯状疱疹後神経痛(PHN)です。人によっては数カ月あるいは年単位で絶え間ない痛みにさらされることがあります。50歳以上の2割がPHNに移行するといわれ、年齢が高くなればなるほど移行率は高くなります」
ほかにもウイルスによる角膜炎、結膜炎、ぶどう膜炎などの目の病気や、顔面神経麻痺、耳鳴り、めまい、難聴などに加え、無菌性髄膜炎、脳炎、脊髄炎などの中枢神経系の病気、運動麻痺、筋萎縮、膀胱・直腸障害など不随意運動神経の病気、さらには肺炎、肝炎などの病気さえ合併する可能性がある。