著者のコラム一覧
天野篤順天堂大学医学部心臓血管外科教授

1955年、埼玉県蓮田市生まれ。日本大学医学部卒業後、亀田総合病院(千葉県鴨川市)や新東京病院(千葉県松戸市)などで数多くの手術症例を重ね、02年に現職に就任。これまでに執刀した手術は6500例を超え、98%以上の成功率を収めている。12年2月、東京大学と順天堂大の合同チームで天皇陛下の冠動脈バイパス手術を執刀した。近著に「天職」(プレジデント社)、「100年を生きる 心臓との付き合い方」(講談社ビーシー)、「若さは心臓から築く 新型コロナ時代の100年人生の迎え方」(講談社ビーシー)がある。

水際で患者の命を救う「救急隊」のレベルは確実に向上している

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 救急救命士になるには、消防官として働きながら5年以上または2000時間以上の救急業務を経験したうえ、養成所で6カ月以上の講習を受けることで受験資格が得られます。また、救急救命士の養成課程がある学校で所定の課程を修了し、国家試験に合格した後に消防官採用試験に受かるパターンもあります。いずれにせよ資格を取得するハードルは低くはありません。

 それでも救急救命士は増えていて、総務省消防庁のデータによると、2012年の資格者数が2万7827人だったのに対し、22年時点では4万2495人と約52%増となっています。それだけ、救急隊員のレベルもアップしていると言っていいでしょう。

■「30秒」「3分」「10分」の区切り内で適切な処置を選択

 先ほども触れたように、救急救命士の資格があっても医療行為はできませんが、蘇生のための処置は認められている部分があります。救急救命の現場では、私の経験上、心肺停止から蘇生のための医療対応の時間的猶予は30秒以内と考えています。患者さんの状態から30秒以内に蘇生のために何をすべきかを判断して、適切な処置に取りかからなければなりません。心肺停止の場合、現在はAEDを使って体外から電気ショックを与えてから心臓マッサージが最優先で、あとは器具を使って気道を確保して呼吸を維持することも重要です。

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