著者のコラム一覧
東敬一朗石川県・金沢市「浅ノ川総合病院」薬剤部主任。薬剤師

1976年、愛知県生まれの三重県育ち。摂南大学卒。金沢大学大学院修了。薬学博士。日本リハビリテーション栄養学会理事。日本臨床栄養代謝学会代議員。栄養サポートチーム専門療法士、老年薬学指導薬剤師など、栄養や高齢者の薬物療法に関する専門資格を取得。

改めて「クスリ」とはなにかを考える…漢字の意味は?

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 今、「薬」の原材料として用いられているのは植物だけでなく、鉱物、菌類などさまざまなものがあります。しかし、「薬草」という言葉が一般的であることが示しているように、昔から体に良いとされる植物があり、それをきざんだり煎じたりすることで「薬」として使われていたのです。

 わかりやすいものだと葛湯があります。葛湯の材料である葛には体を温める効果や発汗作用があり、葛湯は特に風邪のひきはじめに効果的とされ利用されてきました。一方、現在でも広く使われている漢方のひとつに葛根湯があり、やはり風邪のひきはじめに効果的です。もうお気づきかと思いますが、葛根湯には文字通り材料として葛の根っこが含まれています。「薬草」としての葛と、「薬」としての葛根湯。こういった関連性に注目すると、クスリがより身近なものに感じられるかもしれません。

 そうはいっても、クスリは病気の治療や体の調子を整えるものなので、うまく使えば結果として体を「楽」にしてくれます。ですから、「くさかんむり」に「(体が)らく(になる)」で「薬」でもいいのではないかな……と考えたりもします。あくまで私の勝手な考えですけどね。

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