大人気の2型糖尿病の飲み薬が引き起こす性感染症リスク 心血管イベントや死亡率は減少するが…
いままでと異なる仕組みで血糖値を抑制する糖尿病新薬が続々と開発され、血糖コントロールがしやすくなった。半面、意外な副作用が生じるケースもある。そのひとつが「性感染症リスク」だ。そもそも糖尿病の人は神経因性膀胱(ぼうこう)により細菌が膀胱に繁殖しやすく、膀胱炎や尿路感染症が増えるとされている。糖尿病薬の中には、それに拍車をかけるものもあるという。糖尿病専門医で、「しんクリニック」(東京・蒲田)の辛浩基院長に話を聞いた。
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「2型糖尿病の飲み薬であるSGLT2阻害薬には副作用に性感染症が明記されています。実際、複数あるSGLT2阻害薬の尿路・性感染症に関する副作用には、陰部掻痒症、膀胱炎、細菌尿、外陰部膣カンジダ症、外陰膣不快感、亀頭包皮炎、真菌性性器感染、股部白癬、外陰部炎、トリコモナス症などの病名が並んでいます」
陰部掻痒症とは外陰部から肛門にかけて起こる強いかゆみや痛がゆくなる症状の総称を言う。外陰部は女性のプライベートゾーンのひとつで、かゆみのある部分が赤くなる場合があり、かきむしって傷ができて化膿することも多い。外陰部膣カンジダ症は、カンジダ菌と呼ばれる真菌が外陰部ならびに膣に繁殖する病気で、かゆみが出る。比較的よく見られる性感染症だ。