【お題】「24時間、働けますか」育ち 定時退社が理解不能
からすカアの夜明けで、井戸端で洗顔し朝飯を食って、仕事場へと出た。
いまの午前7時には仕事場に着き、暮れ六ツ(午後6時)の鐘まで、ひたすら働いた。
四ツ(午前10時)、正午、八ツ半(午後3時)に休憩をとることで、仕事にリズムが生まれた。 手の遅い者には、早い者たちが助けに回った。
暗いなかでの居残り仕事では、質が落ちた。
現場を束ねる者は、仕事の進め方を差配した。全員で取り組むという、基本を遵守しながら。
我が団塊の世代は、高度成長期を始まりから終幕まで体験してきた。
社会全体が驀進状態。残業は当たり前だった。部署の全員で手分けしてこなしたことで、相互に信頼感が育まれた。
仕事はひとがこなすものだ。ともに汗を流してこそ、気持ちは通じ合う。
ひとり定時の繰り返しからは絆は結ばれない。 とはいえあの時代、労働争議やストも多発した。が、御上から働き方にまで指図されはしなかった。
仕事の絶対量は個々に違っていて当然だ。それをひと括りにして基準を制定するなど、おとなの考えることではない。
ゆとり教育時の混乱を、またも繰り返すのか。
仕事は生き物。お仕着せのひとり定時は、成長の足を引っ張るだけだ。