正月ボケの怠けた、偏ったカラダに喝! 60代、70代からはセルフメンテナンスを
サボリ筋とガンバリ筋を知る
年末年始を食っちゃ寝で謳歌した人も多いだろう。しかし、その分のツケは体に回っている。怠けて偏った体をいかに短時間で回復するか。体に詳しい2人のプロに聞いた。
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笹川大瑛さんは当初は介護事業を営んでいたが、介護や医療は悪くなってから行く、誰もがベッドの上で動けなくなる苦痛を感じていると痛感。予防医療の考えに近いフィットネスジムを始めた。
「やはり一番ケアすべきは腰痛でしょう。たとえば60歳の男性で一番多いのは腰痛からくる脊柱管狭窄症です。しびれや歩くとだるくなりますが、これはマッサージや温熱治療、ストレッチでは解消しません。痛みの解消、予防には動きや安定性につながるサボリ筋を動かしてあげることが大事です」(笹川さん、以下同)
笹川さんが命名した「サボリ筋」とは、普段働いていない筋肉のこと。1つの関節は2つの筋肉で支えられているが、日常的な動作やクセで使わない筋肉がある。このサボリ筋があると別の筋肉が働きすぎる「ガンバリ筋」になり、硬くなって、丸腰や反り腰、凝りや腰痛の原因になる。
関節は前後左右の筋肉のバランスで支えられているため、1つの筋肉だけ鍛えたりマッサージしたりしても効果は薄い。SNSでもマッチョな体をさらしている人が増えたが、「ああいう方も腰痛などがひどいんです。格好いいですが、筋肉がついているからといって健康とは限りません」。
腰の場合、脊柱起立筋という背中の大きな筋肉が働きすぎて腰痛を招く。サボっている左右の股関節付け根の腸腰筋(写真①)、横腹の腹横筋(写真②)、内ももの内転筋(写真③)に10秒、2、3セットほど力を入れてみよう。
「サボリ筋を動かしてあげると、他の筋肉がリラックスします。腰が安定し、ぎっくり腰で前屈できない人もできるようになります」
正月、ゴロ寝をして頬杖をつき、ずっと右だけを向いているというのもよくない。デスクワークも同様だ。同じ姿勢をキープすると、使う筋肉が偏ってくるからだ。
サボリ筋トレのポイントは、次のごとく。
▽1回10秒で2、3セット。
▽2、3日に1回でも十分効果的。毎日やるならお茶を飲むなど朝の自分のルーティンとくっつけてあげる。
▽朝が一番効果的。サボリ筋を動かすとその場で姿勢が変わるため、一日いい姿勢が保てるのだ。
「科学的には40歳から1%ずつ筋肉は落ちるといわれていますが、筋肉はもともと100%使われていないので、90歳でも筋肉はつきます」
サボリ筋を10秒動かすことは難しくないはず。新年から試してみてはいかが?