北陸の揺れどう見る? 南海トラフ巨大地震の現実味、警鐘を鳴らしていた専門家に改めて聞く
元日に発生した能登半島地震(M7.6、最大震度7)は、甚大な被害をもたらした。石川県内では、すでに78人の死亡が確認されているが、道路の寸断や家屋の倒壊などで救出作業が難航しており、被害の全容は分かっていない。
能登地方では2020年12月から群発地震が活発化。立命館大環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏は22年4月6日付の日刊ゲンダイで「内陸直下型の大規模地震が発生する前段階の可能性があります」「能登半島は地滑りが起きやすい地域なので非常に心配です」と警鐘を鳴らしていた。
今回は地下20~30キロにたまっていた水などの流体が10~15キロ付近まで上昇したため、断層が滑りやすくなり、内陸型地震が発生したとされる。
高橋教授が言う。
「局所的には、流体の上昇が地震を引き起こしたように見えます。しかし、もっと広い視野で地震の原因を考えなければ、北陸地方に限定した話に矮小化されてしまいます。今回の地震は動きが活発な太平洋プレートが北米プレートを東から押し、北陸周辺でユーラシアプレートに正面衝突したため起きたのです」