「東京女子医大のプーチン」資金還流の手口とカネへの異様な執着心…元理事長宅に4億円の現金と金塊を保管
■10年にわたって君臨
14年、同大で医療事故が発生し、患者数が激減。経営難の病院を再建した実績を買われ、同年、副理事長に抜擢されたのが岩本容疑者だった。
彼女は大学全体の経営を担う「経営統括部」の理事を兼任し、人事や経理など主要な管理機能を掌握。葛西産婦人科の事務職員だった側近の女を経営統括部幹部に登用し、自身が非常勤嘱託職員として採用した建築士への「建築アドバイザリー報酬」の支出に関する稟議に関与させた。その結果、当初、日給5万円ほどだった建築士の報酬は毎月数百万円に膨れ上がった。
「大学側から建築士に計21回、1億1700万円の報酬が支払われ、うち元理事長が3分の2、残りが建築士の取り分になっていた。それに従って建築士は報酬から自身の税金45%を引いた約5500万円の3分の1にあたる1800万円を受け取り、残る3700万円を銀行口座から引き出し、側近を通じて元理事長に渡していた。側近はSNSで建築士に受け渡し場所を伝え、二重にした紙袋に入れて産婦人科近くの東京メトロ葛西駅で現ナマを受け取っていた。元理事長側に現金を渡した18年2月と19年2月は建築士の給与が確定し、税金の支払額が判明した次の月だった。建築士は自身の納税額を計算した上、金の出どころや流れがバレないようにしていた。付属病院『東医療センター』の建設工事費を含め、約3億円が建築士に支払われている」(捜査事情通)